アーユルヴェーダ滞在で最も重要なのは、やはりどんな診断や治療が受けられるのかですよね。
今回は、タマリンドツリーガーデンリゾートで実際に受けたドクターのコンサルや施術内容、感じた心身の変化について綴っていきます。
「本場のアーユルヴェーダって、日本と何が違うの?」
「短期間でも効果はあるの?」
そんな疑問を持っている方の参考になれば嬉しいです。
【記事シリーズ】
・スリランカでアーユルヴェーダ体験①|タマリンドツリーガーデンリゾートを選んだ理由
・スリランカでアーユルヴェーダ体験②|タマリンドツリーガーデンリゾートはどんなところ?
・スリランカでアーユルヴェーダ体験③|1週間のアーユルヴェーダ旅にかかった費用は?
パンチャカルマを目指して。本気で取り組んだ事前準備
本格的なアーユルヴェーダ治療を受けるには、1週間という滞在期間は決して長くありません。だからこそ私は、「限られた時間で、できるだけ治療効果を高めたい」と考え、渡航前の数か月を”治療の準備期間”と位置づけて過ごしていました。
パラサイトクレンズで体内環境を整え、アーマ(未消化物)を溜めにくい食事を意識し、生活リズムも整える。そして何より、日本で受けているアーユルヴェーダトリートメントの頻度を大きく増やしました。
普段の月イチペースから、2〜3週間に1回へ。約3か月半で合計5回通ったところ、体の巡りやお通じ、肌の調子が整い、体調も以前より安定していくのを実感していました。
また、渡航2週間程前には、施設の日本窓口から、「渡航前アドバイス」を共有してもらえるので、そこに書かれた事前準備にも取り組みました。



実は、ここまで準備したのにはある目論見がありまして。
アーユルヴェーダでは、治療は大きく3つの段階で進むと考えられています。
①体内の毒素をしっかり集める
②集中的に排出する(パンチャカルマ=ハードめの浄化療法)
③滋養を与え、回復させる
1週間の滞在だと、ゆるやかな排出は促されつつ、ほぼ①で終わることになります。でも、②のパンチャカルマこそが、アーユルヴェーダ治療の真髄ともいえるもの。ぜひやってみたいと思った私は、「自助努力で渡航前に①を終え、現地では②から取り組めないか?」と考えました。
事前にタマリンドツリーガーデンリゾートの日本窓口を通して、「日本で集中的にアーユルヴェーダを受けるので、滞在中にパンチャカルマを受けられないか?」と現地ドクターへ相談したところ、返ってきたのは、「短期間でパンチャカルマをやるのは、効果がないどころか危険」ときっぱり”No”。
専門家の判断なら仕方ないと、その時はすっかり諦めていました。
ところが!
いざスリランカに飛んでみると、ドクターから「パンチャカルマをやってみましょう」という一言が…!
事前に身体を整えてきたことが評価され、「毒素を集める段階は十分進んでいる」と判断してもらえたようです。最初に断られても、めげずに準備に取り組んでよかった、と嬉しくなった体験でした。
初回のロングコンサル
いよいよ迎えた初回コンサル。
事前案内では「チェックイン翌日の朝」と聞いていたのですが、実際には施設へ到着してすぐ、スリランカに着いて2時間も経たないうちに受けることになりました。
長旅の疲れもあり、「えっ、今日なの!?」と、ちょっとびっくり。
でも今思えば、もしパンチャカルマを行うなら翌朝から治療を始められるよう、あえて到着日に診察してくれたのかもしれません。実際、同じ便で到着した方も含め、私以外の滞在者は、全員が翌朝のコンサルだったので、少し特別な対応だったようです。
担当してくれたのは、事前にリクエストしていたKaumudi先生。婦人科系領域の権威で、国内外で活躍する著名なドクターです。
常駐ドクターも同席する2名体制で、事前に回答していたオンライン問診票をもとに、生活習慣・睡眠・既往歴・気になる症状などをひとつひとつ確認していきます。その後、お腹の触診や脈診なども行われました。
時間も20時と遅めだったので、正直「サクサク終わるのかな」と思っていたのですが、全くそんなことはなく。Kaumudi先生は分かりやすい英語でゆっくり丁寧に話してくれ、何より穏やかな笑顔で、こちらの話を真摯に聞いてくれる姿勢が嬉しかったです。「ちゃんと診てもらえている」という安心感が、初日からすでにありました。
そして、診断の結果。私のドーシャ(体質)はカパ。
実は、日本でずっとお世話になっているアーユルヴェーダのセラピストさんには、これまで「ピッタ・ヴァータ」と言われていたので、ちょっと戸惑う私…。(後に、生来の体質はやはりピッタ・ヴァータで、今の私の中ではカパが優勢になっている、というのが正確な状態と判明。)
体質というのは固定のものではなく、その時々の状態によって変化する、それを実感する体験でした。
そして、全体的な体の調子については、「とても良い状態」とお墨付き。
「なので、パンチャカルマをやってみましょう」と、まさかの提案!興奮気味でOKしました(笑)
加えて、せっかく婦人科系の専門医に診てもらえる貴重な機会、かつ年齢的にも女性ホルモンや婦人科機能のケアは大切にしたいと思っていたので、それらを整えることをメインに、1週間の治療計画を組んでもらうことになりました。
初日の夜、自分の身体の状態を丁寧に言葉にしてもらえたこの時間が、その後1週間の土台になっていきます。


身体の声を聞きながら進む治療
施術がスタートしたのは2日目の午前から。そこから帰国日の夕方まで、1日2回(60分ずつ)の施術が毎日続きます。
本場のアーユルヴェーダ施術は、決まったメニューをこなすものではなく、その日の体調を見ながら微調整されていく、生きたプログラム。
その中心となるのが、毎日行われるドクターのコンサル(約15分)です。
睡眠の質や食欲、お通じ、体調の変化などを丁寧に確認し、その内容をもとに、その日の施術内容やオイルの種類、処方薬などが細かく調整されます。
たとえば今回、シロダーラを2回、バスティを3回受けましたが、前後のマッサージの内容も日によって微妙に変えられていて、「同じ施術でも、ちゃんと調整されているんだな」と感心しました。
そして、施術の基本は、薬効成分が凝縮されたハーブオイルを使ったアビヤンガ(マッサージ)。
アーユルヴェーダは、水では洗い流せない油性の毒素をオイルで包み込んで排出させるのが特徴で、毎回惜しみなく、たっぷりのオイルを使ってマッサージしてくれます。適度な温かさと優しいストロークで、気づけば寝落ちしていたり、瞑想状態のようになったり。とにかく気持ちいい時間でした。
(施術ルームの外からは、鳥の声や葉っぱが風に吹かれる音も。天然のBGMが最高!)
【私が受けたアーユルヴェーダ施術一覧】
・シロアヴィヤンガ:ヘッド、顔、足、首・肩回り、全身などのオイルマッサージ
・ピチュー:温かいハーブオイルを浸した綿や布を、患部にあてて温める
・ピンダ・スヴェーダ:ハーブと穀物の混合物を布で包んだハーバルボールを使ったケア
・シロダーラ:温かいハーブオイルを額に垂らし続けるケア
・バスティ:オイルを使った浣腸
・フラワーバス:たっぷりのフラワーを使った沐浴ケア


中でも特別だったのが、シロダーラとバスティです。
シロダーラ
シロダーラは、アーユルヴェーダといえば多くの人がイメージする施術。タマリンドツリーでも、ほとんどの滞在者が受けていました。
施術中は意識があるような・ないような、半覚醒状態が続く感じ。その後は好転反応なのか、軽い頭痛がありましたが、2時間程でおさまり、思考の余白ができた感覚がありました。更に、脳の視床下部(ホルモン分泌を司るところ)にも作用したのか、体全体の循環がスムーズになったように感じました。
ちなみに、この施術、額に温かいオイルをゆっくり垂らし続ける、見た目はシンプルな施術ですが、「脳のマッサージ」とも言われ、かなり効果が強いです。その分注意点も多々。
まず、施術は午前中推奨で、雨の日はNG。
施術後は日差しや強い風を避け、できるだけ何もせずにゆっくり休むこと。スマホなども、できれば数時間は避けます。筋肉も骨も緩むので、軽い運動でも避けた方がベター。(注意事項に言及せず、いつでもシロダーラを予約できる日本のサロンも多いですが、ちょっと注意が必要だと思います。)
私の場合、日本の日常でこれらを守るのは難しいので、スリランカで受けられて良かったです。
バスティ
今回の治療のメインとなったのは、パンチャカルマのひとつであるバスティ(オイル浣腸)でした。
人生初の浣腸ということもあり、最初はかなり緊張…。
でも、意外にオイルの注入量が少なく、このパートだけは毎回ドクターが直接担当してくれたこともあり、割とすぐに慣れました。(注入後の違和感や腹痛も、かなり小さめ。)
驚いたのは、「注入したオイルは、できれば1日保って」と言われたこと。
初回のバスティ直後にヨガレッスンを控えていた私、思わず絶句。
今思えばレッスンをスキップすれば良かったんですが、実際はお尻にオイルを入れたまま、スリランカスタイルのヨガ(動き激しめ)を完遂。
我ながら変に真面目だし、素晴らしい根性だな、と思います…(笑)
結局夕食後には排出してしまいましたが、ドクターは「それはそれでOK」と。
バスティは濃厚な薬効オイルが直腸を直接浄化するそうで、「アーユルヴェーダの治療の半分」と言われるほど、効果が高い施術だとか。
ドクター曰く、「1回じゃあまり意味ないの。2回でも微妙。3回やるとGoodね」とのことで、施術初日から1日置きに合計3回実施しました。こうしたパンチャカルマの施術はドクターの立ち会いが必要なため、日本ではほぼ受けられません。それだけでも、スリランカに来た価値があったと思います。


アーユルヴェーダ滞在を通して得られた変化
滞在初日からパンチャカルマが始まった私ですが、意外にも強い好転反応はほとんどありませんでした。むしろ、「自然さいこう〜!トリートメント気持ちいい〜!オイル浣腸、意外にいけるぞ!」という、わりと平和な感覚。
とはいえ、体はちゃんと排出モードに入っていたようで、食欲はいつもより少なめ。すぐ満腹になってしまい、途中からは食事を全皿ハーフポーションに変更してもらうほどでした。
そんな中、唯一はっきりした変化があったのが、滞在5日目に受けたピンダ・スヴェーダの後。
ものすごい倦怠感が全身に出て、起きていられないほど。それまでの施術が重なり、相乗効果で一気にデトックスが進んだのかも?
翌日にはかなり身体が軽くなり、久しぶりにしっかりした空腹感が。その後は帰国まで不調もなく、穏やかな状態で滞在を終えられました。
一方で、私自身が最も大きな変化を感じたのは、身体よりも「心」と「感覚」の部分です。
毎日、朝食後にはプールサイドで瞑想をしていたのですが、日を追うごとに身体がゆるみ、深い瞑想へ入るまでの時間がどんどん短くなっていきました。
そして、ある時ふと、目を閉じて瞑想するよりも、青空や木々、鳥やリスたちをぼんやり眺めている時間の方が、深く癒される感覚があるなぁ、と気づきました。
普段瞑想する時は、目をつむることからスタートするので、ちょっと不思議な感じ。


滞在中、何度も感じたのは、「普段の私は、五感を十分に使えてなかったんだな」ということ。
例えば食事。
摂るものの質には気を付けいてますが、普段は「身体が美味しいと感じる」よりも先に、「これは身体に良い食材・料理だ」と頭で理解して食べていることが多かったように思います。
私はヒーラーなので、体感覚も鋭い方ではあるものの、やっぱり鈍っている部分はそれなりにあるなぁと気づきました。
そうした中、タマリンドツリーでは自然と目や耳が研ぎ澄まされていきました。
美しい自然と、豊かな生き物たち。
それぞれの発する音があまりにも素晴らしくて、エネルギーに満ちていて、勝手に癒しが起きていく感覚。
ここにアーユルヴェーダ治療が加わるので、変化が速いんだと思います。
滞在の終盤には、五感が開くというか、本来の繊細さが戻ってきているような感じがしました。
まとめ
帰国してから約2ヶ月。
この間に、アーユルヴェーダを2回、シータヒーリングのセッションを1回受けました。その際、
・身体のエネルギー全体が軽い
・体内の循環が非常にスムーズ
・グラウンディングがとてもしっかりできている
と、それぞれ共通した変化を伝えていただき、自分では気づかないところでも、良い状態が続いているようです。
事前に身体を整え、現地で集中的に治療を受け、帰国後も無理のない範囲でケアを続ける。
そんなふうに生活全体を整える意識をもつことで、効果はより深く、長く続くんだと実感しました。
たかが1週間、されど1週間。
アーユルヴェーダリトリートは侮れません。
次回→「アーユルヴェーダ滞在をより快適にするコツ」について書く予定です。お楽しみに!

